永久歯が生えてこない…原因と治療方法(先天性欠如・埋伏歯)

永久歯が生えてこない…原因と治療方法(先天性欠如・埋伏歯)

永久歯への生え変わりは6歳頃から始まりますが「乳歯が抜けない」「片方だけ永久歯が生えない」などの症状があらわれる場合もあります。個人差はありますけれども、通常1年〜2年ほど様子を見ているとちゃんと生えてきますが、一生物の大切な歯のことなので心配になりますよね。

そこで、永久歯が生えてこない原因とその治療法についてお伝えしていきます。

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「乳歯の生える時期・永久歯への生え変わりの時期や順番は?」

原因は主に2つ

永久歯が生えてこない原因として考えられるのが「永久歯先天性欠如」「埋伏歯」です。
「永久歯先天性欠如」はもともと永久歯が存在しない症状で、「埋伏歯」は永久歯があるのに生えてくることができない症状です。歯の生え変わり時期はお口の中の変化も激しいので、こういったトラブルが起こることがあります。

永久歯先天性欠如の原因

永久歯が生えてこない…原因と治療方法(先天性欠如・埋伏歯)

もともと永久歯が存在しない「永久歯先天性欠如」は、乳歯が抜けずにそのまま残っている状態にあります。なぜ、乳歯が抜けないのか。その原因は、通常は乳歯の下に準備されている永久歯が育つと、自然と乳歯の根を溶かし、生え変わりが起こります。その永久歯がもともと存在しないため、乳歯が残ることにあります。

永久歯先天性欠如の治療方法

永久歯先天性欠如の治療方法は、乳歯が「抜けていないか」「抜けてしまっているか」で異なります。

抜けていない場合

抜けていない場合は、そのまま大切に乳歯を使っていきます。
しかし、残念ながら乳歯のサイズは永久歯と比べても半分から3分の1なため、高さが足りません。歯根も短いために数十年すると寿命を迎えてしまうことが多いです。

抜けている場合

抜けていてもかみ合わせが安定している場合は、そのままという選択肢もありますが、通常は次の3通りの治療方法があります。

1.取り外しのできる入れ歯を利用して補う方法
2.両隣の歯を形成してブリッヂにする方法
3.スペースに余裕があればインプラントという方法

歯が抜けていると隙間が空いています。食べ物がそこから漏れてしまったり、咀嚼がうまくできなかったり、長い年月の経過とともに両隣りの歯が傾いてきてしまったり、向かい合う相手の歯が伸びてきてしまう、ということが起こりますので、歯の状態を診察して、適切な治療方法を行います。

埋伏歯の原因

永久歯が生えてこない…原因と治療方法(先天性欠如・埋伏歯)

永久歯があるのに生えてくることができない「埋伏歯」は、その永久歯が歯ぐきや顎の骨に埋まった状態にあります。永久歯ばかりではなく、そもそも過剰歯である場合もありますし、片方の顎にだけ症状が現れる場合もあります。

なぜ、永久歯が埋まってしまっているのか。それは、歯が生えるための顎のスペースが十分でないことが原因です。

その原因を探るためには、歯胚といって、歯がつくられ始める時期の歯のたまごのようなものの段階まで遡る必要がありますが、研究はされているものの、いつのタイミングでその形成のスイッチが入り、どうして方向を間違えずに咬合面に萌出方向を見出すのか、まだ謎のままです。

埋伏歯の治療方法

埋伏歯の治療方法は、埋まっている状態により異なります。

そのままにする場合

「上顎の犬歯が埋伏している」場合は、そのままのことが多いです。もっとも、60歳を過ぎて虫歯によって第一小臼歯を喪失された男性が、埋伏犬歯の開窓と矯正治療による牽引によって、生かして使うというケースもあります。

抜歯をする場合

「正中過剰埋伏歯」の場合や「上あごの中切歯の間が開いてしまったり歯並びが悪くなる」場合は、抜歯をします。また、親知らずには埋伏歯がよく起こり、智歯周囲炎や隣在歯の虫歯を引き起こすために、場合によって抜歯をします。

まとめ

永久歯が生えてくる年齢は個人差もあるので「上の子はこの時期だったのに、下の子は遅いかも…」と心配になるかもしれませんし、見た目だけではわからないこともあります。歯医者でレントゲンを撮ることで「永久歯先天性欠如」や「埋伏歯」を判断できますので、気になった時に早めに診療されることをお勧めいたします。

以上、歯医者がお伝えする「永久歯が生えてこない…原因と治療方法(先天性欠如・埋伏歯)」でした。